雇う側の都合しか考えない移民政策

最近よくマスコミ報道される話題に、

「外国人失踪者が急増」

「外国人犯罪者が急増」

「外国人の在留資格の取り消しが最多となる」

「難民申請者が急増」

というものがあります。

皆さんも新聞やネットニュース記事で目にしたことがあるのではないでしょうか?

原因に踏み込まないマスコミ報道

上記のような報道は、全て事実ではあります。

外国人労働者の総数が急増しているため、それに従い失踪者などの数も増えているのでしょう。

難民申請者数については、今年1月から、難民認定制度が厳格化されたため、今年は昨年よりもかなり減少していますが、昨年まで急増していました。

ところがマスコミ報道では、事実を報道してはいますが、その根本的な原因には踏み込んでいないですね。

あまり踏み込めない事情があるのかもしれませんが、このような、結果のみをとらえた報道が多いと、一般の人は、「外国人が増えると治安が悪くなる」とか、「外国人はけしからん」などの偏った感情を抱く人が多くなるように思います。

そもそも、外国人労働者を急増させているのは、安倍政権です。

それも、幅広い産業界から、「外国人労働者を雇わないと成り立たない」との要求を受けて、そうしているのです。

問題のある労働者調達方法

一番良くないのは、現在の外国人労働者の調達方法です。

日本には、現時点で外国人の単純労働のためのビザ(在留資格)がありません。でも、国内の多くの産業、例えば農業、漁業、製造業、縫製業、食品加工業などでは、外国人を求めているのです。

なぜなら、日本人が職についてくれないからです。賃金を上げれば日本人も雇えると思いますが、賃金を上げたくないのです。

ではどうすれば外国人を雇えるのか?

外国人に技能を指導して、帰国後本国でそれを役立てるという建前の「技能実習生ビザ」や、週に28時間までアルバイトを認める、「留学生ビザ」で入国した人を雇うのです。

または、観光ビザなど短期滞在ビザで入国して、期限後も不法滞在を続けている人を雇います。

この他、日系人などの「定住者ビザ」、「日本人の配偶者ビザ」、「永住者ビザ」の人もいますが、最低賃金や劣悪な条件では、雇うのは難しいでしょう。

それで、最近特に増えているのは「技能実習生」と「留学生(日本語学校)」です。

大学や大学院に留学する人は別ですが、

この2つの在留資格で来る人たちは、大抵「出稼ぎ」目的で来ています。

そして、どちらも、入国前に、出身国で職や日本語学校を斡旋してくれるブローカーに、多額の借金をします。

彼らは日本の実情をあまり知らないために、短期間で高額を稼ぐことができるという甘い話に乗せられ、夢を抱いて来ます。

ところが、実態は違います。

聞いていたほど稼げないのです。

入国前に、数百万円もの借金を抱えて一大決心をして来日するので、稼げないことに気づいても、簡単に引き下がるわけにはいきません。

稼ぐことをあきらめて帰国した日には、本国の家族共々路頭に迷います。

そこで、同郷の友人とのコミュニティなどで相談して、法の抜け穴をついてでも、自分の目的を達成する方法を探すのです。

技能実習生なら、そのままでは職場を変えることができませんから、失踪して、友人のつてを頼って、稼げる職場を探します。

留学生も、決められたアルバイト時間に制限されていては稼げないので、違法に職場を掛け持ちしたり、同じように失踪して、より稼げる職を探します。もともと勉強が目的ではない人にとっては、学校に通う時間が無駄でしょうから。

また、2010年以降、難民申請をすれば、申請手続中、あるいは申請後6ヶ月経てば、就労可能となるため、難民申請する人が急増しました。

これは合法でしたから。

ただし2018年初めから、難民認定制度が厳格化され、いわゆる「偽装難民」には、申請しても就労許可が出なくなったため、以降は減少しています。

今までの移民政策のしわ寄せ

失踪者の急増や、犯罪者の急増、在留資格の取り消し、難民申請者の急増など、どれも、政府の移民政策として、「移民は受け入れない」という建前のもと、技能実習生や留学生という、現実的には稼げない在留資格で労働者を大量に受け入れたため、そのしわ寄せとして、発生している問題だと、私は捉えています。

本当に外国人労働者に来てもらい、国内産業に貢献してもらいたいなら、彼らを正面から受け入れ、労働条件などを保証し、彼らの目的を達成させることを考えるべきでしょう。

現在の制度では、雇用する側の目的のみが達成されるような制度であり、これでは最初に挙げたような問題が起こるのは当然だろうと思います。

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