海外に羽ばたく日本語教師が気をつけるべきこと

先日、私が卒業した日本語教師養成学校のセミナーに参加しましたが、それがとても興味深い内容でした。

私自身は今から7年前にその学校で日本語教師養成講座を修了し、その後45年間民間団体でボランティア教師を務めました。

今は日本語の指導はしておらず、その他の分野で外国人支援を行っています。

日本語教師の世界は、一般的にその待遇の厳しさからか、女性がほとんどで、男性はと言えば学生さんのようにまだ就職していない方や、既にリタイアされた方が、外国人に日本語を教えるという活動に楽しさを感じて熱心に取り組まれている方が多いと感じます。

特に女性たちは、男性よりもフットワークが軽くて思い切りがいいので、それまでの仕事を辞めてポーンと海外に飛び立つ方が多いような気がします。
東南アジア諸国では現在日本語教師の募集がたくさんあるようです。

海外に羽ばたいて、現地で日本語教師に打ち込まれている彼女たちの様子をフェイスブックなどで拝見すると、「素晴らしい!」「楽しそうで良いなぁ」などと感じるものです。

「男女問わず、海外で働く日本語教師の待遇はそれほど良いものではないが、現地ではそれほど不自由ないだろう。若者ならお金よりも経験とやりがい重視で、そんなのは問題にならないだろう」というのが私の今までの認識でした。

ところがこの日のセミナーで聞いた話では、東南アジアから日本に来る外国人技能実習生さながら、向こうに行く日本人教師がブラック環境で働かされているケースが多いと聞いて驚きました。

特に、現地の職場のことや就労条件を事前に十分確認せずに、情熱と勢いだけで飛び立つ若者がその境遇に陥ってしまうケースが多いようです。
日本人で海外で働いたことの無い方は、日本人教師は現地で立派な日本語教師として迎えられ、さぞ優遇されて働けると想像しているようですが、現実は違う。いくら日本人だからといって、現地の民間の日本語学校からしたら、ただの一人の「労働者」でしか無いわけです。
契約を書面できっちり取り交わしていないケースも多いらしく、そんなブラック学校もあるということでした。ここにはこれ以上詳細は書けませんが。

「海外で働く」ことと「海外に留学する」ことは全く違うもの。海外で働くとは、現地でお金を得ることなので、日本語教師であってもそう簡単にはビザももらえない、また転職も容易ではありません。人たびビザの在留期限が切れてしまったら、大変なことになります。

この話を聞いて、なるほど日本に来る外国人と全く同じだと感じました。

日本で現在大変な境遇にある外国人は、大抵来日前にブローカーから聞いた話を鵜呑みにして、楽観的な気持ちでやってくる。ところが現実は甘くないのです。

これと同じことは日本から海外に働くために出る人にも言えますね。
現地の会社からきちんと招聘されてビジネスビザを日本で得てから渡る人は別ですが、民間の日本語学校を自力で探そうという場合は要注意です。

とても意欲ある日本語教師の方に海外で活躍してほしいですからね。

念には念を入れて、全ての条件を事前に確認してから、良い学校を見つけてほしいと思います。

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