最大の輸出品が「人間」である国とは?

こんなタイトルを書くと、まるで人身売買を奨励している国か?

と思われるかもしれません。

もちろん、人身売買ではありませんが、私たちの非常に身近な国に、人を大量に海外に輸出、つまり出稼ぎさせることで、国の経済力を支えている国があります。国もそれを奨励しています。

ここまで言えば大体わかると思いますが、フィリピンです。

フィリピンと言えば、1980年代に、日本にたくさんのフィリピン人女性がエンターテイナーとして来日、就労されたことはご存知かと思います。

フィリピンから海外に出る労働者

1970年代あたりから、フィリピン政府は海外出稼ぎ労働者を奨励し、最初は中東方面への男性労働者が中心だったようですが、80年代以降は、家事労働やエンターテイナーとして世界各国へ移住する女性が増えました。

その後、彼女たちの人権問題が世界的に顕在化したため、フィリピン国内に海外労働者のための雇用、契約を扱う省庁、また海外労働者の人権などを保護するための省庁ができました。

今では、エンターテイナーとして日本に来るフィリピン人女性はほとんどいないと思います。

それにしても、海外に住むフィリピンはフィリピン人の約1割、1000万人に上り、彼らの送金額はフィリピンのGDPの約1割にもなっています。

その多くは、アメリカ、カナダ、中東諸国、シンガポール、香港、台湾に集中しています。

この規模はすごいと思いますね。

今でも、国は海外出稼ぎ労働者に対して、金融や保険面で優遇しているそうです。

一番の輸出品が、「人間」だと言われる所以です。

日本に来るフィリピン人労働者

日本には、新しく就労のため来日するフィリピン人は、現在では技能実習生が中心となっています。現在全国に約2万人います。

彼ら技能実習生にしても、相変わらず待遇面や契約面で人権問題が頻繁しており、日本語という言葉の壁もあります。

さらに、職場転換や職種変更の自由も無く、家族呼び寄せができないことも大きなデメリットです。

現在も高い経済成長を続けるフィリピンにとって、今の日本に来て働くメリットは恐らくあまり無いため、今後はフィリピンから来日する就労者は減少すると思われます。

在住フィリピン人が抱える問題

今後フィリピンからの就労者はあまり増えないと思いますが、今日本に住むフィリピン人にとって大きな問題があります。

現在、日本に住むフィリピン人定住者は、80年代以降に来日して、定住者となったフィリピン人とその家族が中心で、約14万人ほどいます。(2016年)

彼らが現在抱える問題で、一番大きなものは、子どもの教育、特に言語の問題と言われています。

統計によると、日本語教育を必要とする児童生徒のうち、最多なのが在住フィリピン人の子どもだそうです。

教育の問題は、彼らの将来に直結するため、今後の大きな課題になることは間違い無いでしょう。

彼ら子どもたちの教育をサポートする必要がありますね。

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