近い将来、国産のカキは高くて庶民には食べられなくなるかも?
昨日は私が参加している外国人支援団体APFSの集まりで板橋区の中華料理店に行ってきました。
来年で創業60年になる、とても歴史のある店で美味しい料理をつついていました。
なかでも牡蠣の炒め物、酢豚の豚の代わりに牡蠣が入ったものが私の一番のお気に入りでしたが、牡蠣というと皆さんも普通に頻繁に食べられるのではないかと思います。
居酒屋で定番な生ガキ、焼きガキ、カキフライ、などたくさんのバリエーションがありますね。
牡蠣といえば広島で、日本の牡蠣の生産量の実に60%以上が広島で作られています。
ところが今、この牡蠣の生産には外国人無しでは成り立っていないことは知っていますか?
牡蠣の殻をむく仕事をする人は「打ち子」と呼ばれますが、この作業はいわゆる3Kの大変重労働で、日本人のなり手がほとんどいないのです。
そこで多くの牡蠣の生産業者は中国やフィリピンから来る技能実習生を打ち子として雇っています。
悪しき技能実習制度のもとで、低賃金で搾取される外国人の姿が浮かびますが、私達日本人はそんなこと全く意識せずに、美味しい牡蠣を堪能していますよね。
でも現場では過酷な労働だということもあり、2013年に広島の江田島で中国人技能実習生による痛ましい経営者殺害事件が起こったことは記憶に新しいです。
打ち子を担ってくれる日本人がいないなら、牡蠣の価格上げて、従業員の待遇を良くしたら、と思いますが、そう簡単にはいかないのでしょう。
日本人のなり手がいない分野で外国人を雇用することは悪いことではなく否定しませんが、その制度(技能実習制度)には大きな問題があります。
来年から特定技能という新しい在留資格で外国人の受け入れが拡大しようとしていますが、ベースは現在の技能実習制度を維持した上での移行なので、問題になっている人権侵害が減る方向に進むのか、不透明です。
でも人権侵害や待遇を改善していかないと、数年後、経済が発展した東南アジアから労働者が日本に来てくれなくなる可能性は高いと思っています。
牡蠣で言えば、殻むきが完全に機械化されれば問題は解決するかもしれませんが、できなければ、今普通に食べられる牡蠣も、高級食材として、庶民には手が出ないものになっているかもしれませんね。