ベトナム人の犯罪が急増している?

4月12日の新聞報道で、「2017年の統計ではベトナム人の犯罪が急増し(5140件)、来日外国人犯罪(総数17006件)の中で3割を占め、最多となった」
との記事がありました。(2018.4.12 毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20180412/k00/00e/040/211000c?inb=ys

このような記事が報道されると、世間では恐らく
「ベトナム人を入国させるな」とか
「ベトナム人は怖い。嫌いだ。」
といったような風潮が増えることでしょう。

物事の本質を見ずに結果だけを見ると、確かにこれは事実です。

しかしベトナム人の犯罪が急増した理由は何なのか?
来日したベトナム人に全ての原因があるのか?
この点が気になったので今日はこのニュースについて考えてみました。

まず、新聞報道ではベトナム人犯罪の特徴として以下を挙げています。

  • 犯罪摘発者のうち留学生資格が4割を占めている
  • 犯罪種別は店舗での万引きが4割を占めている
  • SNS等で知り合ったグループで共謀し、店舗で万引きを行い、盗品をベトナムに送り換金するパターンが多い

以上からすると、

「100万円もの大金を借金してあっせん業者に支払って来日した留学生が、来日後にアルバイトに明け暮れるも、そう簡単には稼げずに、借金を返すことすら大変だ。しかも、それ以上に稼がなければ来日した意味が無い。
と厳しい現実に気付いた留学生が、仲間と共謀し、化粧品や衣料品店で万引きを行い、その盗品をベトナムに送って換金した。」
という光景が見えてきます。

でも彼らは決して「犯罪を犯してお金を稼ぎたい」と考えて入国したわけではないと思います。
やむにやまれぬ事情によってどうしようもない心理状況に陥り、犯罪に手を染めたのだと思います。

ではこのような行動を引き起こす本当の原因は何でしょうか?
自分なりに考えてみました。

原因(仮説):
1.在留ベトナム人全体数が急増しているから。(過去5年間で5倍に 262,000人/2017年)
2.報道によるとベトナム人(留学生・実習生)は来日前にあっせん業者に100万円程度の仲介手数料を支払うケースが一般的で、それを来日後まず返済しなければならないが、現実は低賃金のため手取り収入が少なく、これすらもなかなか返済できない。
つまり来日前に思っていたほどお金が貯まらないから。
(単純労働者のための留学生・実習生制度の仕組み上なかなか稼げない)
4.ベトナム人の来日前の認識・知識が不足しているから。(あっせん業者の甘い話に乗せられている)
5.悪質なあっせん業者が横行しているから。(留学制度・技能実習生制度を金儲けビジネスとしている)
6.留学生は、SNS等で同胞とつながりが強く、共謀しやすいから。逆に言うと、生活環境で日本社会から隔絶されているから。
7.技能実習生は職場の労働条件が厳しいから。(低賃金、職場を変更できない仕組み、異国での生活に対するケア環境の欠如等)
8.現行の実質的な外国人労働者受け入れ制度(留学生・実習生)が悪いから。(単純労働者を受け入れる企業側にとって非常に都合の良い制度)

とこのような原因が考えられますが、
やはり根本的な原因は、場当たり的に国内の労働力不足を開発途上国の貧困層によって補い、低賃金で働かせて搾取する仕組み(現行の留学生制度と技能実習生制度)を作り上げ、本質的な問題(単純労働者として正式に日本に受け入れること)を何も解決せずに、グレーなまま放置してきた日本政府の責任と言えるのではないでしょうか。

つまりこのニュースの本質は、「外国人労働者が増えた」だから「犯罪が増えた」という単純な図式ではなく、
「政府が外国人労働者を中途半端な形で急増させた結果として、その犯罪の増加を助長している。」

ということだと私は思います。

現在のようないびつな外国人受け入れ制度を続ける限り、外国人労働者の犯罪は減らないだろうと私は思っています。
なぜならば、今の外国人就労制度では、「犯罪が起こる仕組み」に満ちているからです。

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