ここでは、在留外国人の統計(概要)について整理します。

「在留外国人」とは?

法務省が毎年発表している外国人数の統計では、「在留外国人」という言葉が使われています。法務省の定義では、「在留外国人」は「中長期在留者」と「特別永住者」となっており、簡単に言うと、「観光客などの3か月以内の短期滞在者を除く外国人」ということになります。

これに対して、「総在留外国人」は「観光客などの短期滞在者も含む外国人全て」ということです。

法務省「用語の解説」

在留外国人数(2017年末)と推移

法務省統計によると、2017年末の在留外国人数は 256万1848人となり,前年比 17万9026人(7.5%)増加し,過去最高となったとのことです。

日本の人口が約1憶2653万人(2018年4月現在)なので、在留外国人数は全人口の2%を超えたことになります。

男女別では,女性が 1,328,025人(構成比 51.8%),男性が 1,233,823人(構成比 48.2%)とやや女性が多くなっています。

最近10年間の推移では、2008年から2011年までは減少傾向にあったのですが、それ以降は増えており、特に第二次安倍政権になってからの増加が著しいことがわかります。

出典:法務省

国籍・地域別の在留外国人数・構成比(2017年末)と推移

では国籍・地域別にみるとその数と構成比は下のグラフのようになります。(2017年末)

出典:法務省

また、2007年の国籍・地域別構成比は以下のようでした。

2007年から2017年までの推移は以下です。(2017年上位5か国のみ)

出典:法務省

この10年間で見ると、中国人、ベトナム人、フィリピン人が増加しており、逆に韓国人、ブラジル人は減っています。

増加率では、ベトナム人、ネパール人、インドネシア人の増加が著しくなっています。

在留資格別の在留外国人数・構成比(2017年末)と推移

在留資格別に見ると、以下のようになっています。

出典:法務省

これによると、2017年では「永住者」が全体の3割を占めて一番多く、続いて「特別永住者」(第2次世界大戦終戦前から引き続き居住している在日韓国人・朝鮮人・台湾人およびその子孫)、「留学生」、「技能実習生」となっています。

ここ数年の増加率が特に大きいのは「永住者」、「留学生」、「技能実習生」です。

新しく日本に来る「留学生」、「技能実習生」とともに、原則10年以上在留している必要がある「永住者」も増えていることがわかります。

また、出身国籍と保有する在留資格の関係でみると、国ごとにその特徴があることがわかります。

  • 中国人:「技術・人文知識・国際業務(いわゆるホワイトカラー)」、「留学生」、「家族滞在」が多い
  • 韓国・朝鮮人:「特別永住者」が多い
  • ベトナム人:「技能実習生」、「留学生」が多い
  • フィリピン人:「永住者」、「日本人の配偶者」、「定住者」が多い
  • ブラジル人:「永住者」、「定住者」が多い
  • ネパール人:「留学生」、「家族滞在」が多い

 

都道府県別の在留外国人数・構成比(2017年末)

都道府県別の外国人数ですが、法務省統計に一覧表があります。

これを見ると、在留外国人が多い都道府県は、主に関東エリア(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、群馬)、東海道・山陽新幹線沿線(愛知、静岡、岐阜、大阪、兵庫、京都、福岡)に集中していることがわかります。

また、ほぼ全ての都道府県において、ますます増加傾向にあるといえます。

在留外国人の多い地域は、産業が集中したエリアとほぼ一致しているようですが、東京に全在留外国人の2割以上が集中しているように、人口と産業の密集地、そして交通の利便性の良い場所に集中して住んでいるようです。

都道府県別 在留外国人の推移

 

 

 

都道府県別在留外国人の推移

出典:法務省

 

 

 

都道府県別・在留資格別外国人数

出典:法務省