「我々は労働力を呼んだが、やってきたのは人間だった」

この有名な言葉は、スイス人マックス・フリッシュが50年以上前に述べた言葉です。

スイスといえば、現在外国人率がおよそ25%になるほどの移民国家です。

スイスは当時、自国の労働力不足から主にイタリア人労働者を受け入れましたが、短期間で大勢の外国人労働者が増えたため、国内で外国人労働者の排斥運動も起こるなど、移民問題に直面しました。

それでも早期に国の方針として、一定期間労働者として滞在したのちに、家族の呼び寄せも認めるなどの移民政策を取ったため、結果的に外国人移民がうまく溶け込んだ国の一つです。

さて、これに対して今の安倍政権が進めている外国人労働者の受け入れはどうなっているのでしょうか?
「骨太の方針」では、今後新たな在留資格を新設して、不足する労働力を確保したいと言っていますが、それも技能実習生を5年間続けた人には在留期限延長を認めるとか、滞在期間を延長しても家族の帯同は認めないとしています。

つまり、
「我々は労働力を呼ぶつもりだが、人間は呼ばない。」
と言っているのです。

今後も移民政策は取らないという方針、つまり今後も短期労働者は(裏口から)技能実習生や留学生として受け入れ続けるが、家族は帯同させない、としています。
このため労働者の家族のための保障制度や視点が欠けている、言い方を変えれば、「外国人労働者の家族に対する保障は必要ない」としているのです。

労働力だけを呼びたいと考えても、ロボットではないですから、そのうち結婚や出産など家族の問題が現れるのは当然です。

50年以上前にヨーロッパで起きた移民問題と同じような現象が起きつつあるのに、過去の教訓から全く学んでいないようです。

これでは外国人労働者が日本に定着するはずはなく、労働力不足は全く解消されないでしょう。

本気で国内の労働力不足を、外国人を呼び込むことで解消させようと考えているのでしょうか?

この疑問を早く解消してほしいものです。

コメントを残す